障害者にしか書けないことがあります。
だからこの作品は私の身体を使った実験と言えます。
私は「言語化」することで精神を保っているのです。
その扉を開いたのがこの詩人でした。
はじめに
シャルル=ピエール・ボードレール。
象徴派の先駆者として知られるフランスの詩人。詩集『悪の華』は、近代文明・社会の退廃を鋭利な感性で批判する一方で、自己の苦悩、絶望などを表現豊かに綴った金字塔的作品。詩人の生誕から死までの人生を表現した、その内容は近代詩に革命をもたらしたが、あまりに官能的な部分が多く、風俗を乱す作品として起訴された。
パリに生まれ、幼少期に父親と死別。学校で問題を起こす、文学を志すと勝手気ままな生活を送るなど、破天荒に生きる。成人して亡父の莫大な遺産を手にすると、放蕩の限りを尽くし、放縦な暮らしぶりが続く。この浪費ぶりに家族や親族らによって準禁治産者に認定され、法定後見人をつけられるなど生活が困窮していく。
しかしながら、詩作と美術批評に没頭。1845年以降、美術批評『サロン』シリーズを発表し、芸術家ドラクロワや音楽家ワーグナーを擁護するなど、独自の美学を展開した。
1857年、代表作『悪の華』を出版。退廃的な内容が問題視され、風俗壊乱罪で起訴され、6篇が削除される判決を受けた。これにより名声は得たものの、精神的にも経済的にも打撃を受けた。
慢性的な生活苦に加え、晩年は健康が著しく悪化。脳卒中を起こし、言語障害に苦しみながらも創作を続けた。
1867年、46歳で死去。死後に散文詩集『パリの憂鬱』が刊行され、象徴主義の先駆者として評価されるようになる。
ボードレールの人生は、若き日の散財によって大きく方向づけられたが、その苦悩と孤独が彼の詩に深みを与え、近代詩の礎を築くことにつながった。彼の作品は、退廃と美、都市と孤独を鋭く描き出し、後世の詩人たちに多大な影響を与えた。
(①ウィキペディア:取得日:2025年12月20日 ②https://advanced-time.shogakukan.co.jp/26642 ③https://repository.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/)