【前回の記事を読む】なぜ苦しみは与えられるのか――終わりなき進化の行き着く先にある“想像を超えた世界”とは

1.神の創造の奥義

(2)

霊の成長、進化については、これまであまり明確に意味を語られてきませんでした。

私は、困難や試練を通じて理解力、洞察力、想像力、判断力、決定力、遂行力などの霊の能力的諸側面が向上し、神が定めた規準(倫理道徳)に従って行動出来るようになることだと考えています。

ここでは愛について触れませんでしたが、愛は神が創り出したものではなくこの世が最初から備えている基本的性質で、神もまたこの愛のルールに従っているのです。

この世では楽しいことや幸せなこともあるけれど、苦しいことや困難なことの方が遥かに多いのは、霊の成長、進化は苦悩、苦痛や困難を経験しなければ達成されないからです。

苦悩、苦痛、困難には、生病老死や悪意、故意、侮辱、蔑み、我儘、傲慢、妬み、理不尽、裏切り、策略、企み、意思疎通の困難、強欲、貧困、離別、犯罪、戦争、事故や自然現象などによりもたらされるものの他、個人レベルや国家レベルでの価値観の違い、宗教の違い等によりもたらされるものもあります。

状況が複雑化すればするほど、現在よりも高い認識を得、より高い立ち位置に向上しなければ乗り越えることが出来ないもので、霊の成長、進化を促してくれるものなのです。

八十八歳まで生きた義父は「この世の中は殆どが悪いこと、良いことはほんのちょっぴり」と言っていました。まあ確かに悪いことが多いですね。悪いことが7割、良いことは3割位の感じでしょうか。

あの世(霊界)では考える必要のない生病老死が地上にはある。

何かしようとすれば障害や邪魔が次々と現れる。外国へ行けば言葉が違って意思疎通も出来ないし人種が違って親しくなるのも難しい。なぜ人種と言葉は世界中同じではないんでしょうね。移動するにも飛行機や乗り物が必要だ。立ち上がり歩くには重力に負けない筋力が必要だ。

何かをしたくても規制が多い、資金がない、反対する人ばかり。愛情だけではうまく行かない現実生活。愛し合う二人にも不本意に来る離別や破綻……何をするにも負荷や抵抗があり苦難に満ちていて容易には達成したり成就したり出来ないようになっているのです。

このように主として物質や肉体に由来する困難や苦しみに満ちているのがこの地上生活です。しかし、これこそ神が物質世界(宇宙)を創った理由なのです。

この困難があるからこそ、それに負けないように心の鍛錬が出来るのです。鍛錬して多少のことでは挫けない強さを身につけること、困難を踏み台により高い認識を習得することが成長するということになるのです。

霊界では物理的な負荷も抵抗もなく生存することが出来ますが、その分習得することが少なく成長が遅くなります。霊達の成長を出来る限り促進するために、神はわざわざ困難と苦しみ、負荷と抵抗に満ちた物質世界を創造し、霊達に与えた……私は長い間の自分の経験や考察からそのような結論に達しました。

もはやお分かりの通り、霊が能力的諸側面を強化向上させ倫理道徳に従い生きられるよう常に努力しなければならぬ理由は、未来において第二~五の神となることが宿命付けられているからです。ですから生き物の霊達、殊に人間の霊は例外なく成長し進化し善く生きるべきだと信じています。