鳥飼に向かって座っていた奥の浮浪者は、全身に血を浴びながら少しの間きょとんとしていたが、突然、「ギャー」という叫び声を上げて、鳥飼と反対側の堂島通り方面に何度も転びながら走っていった。

鳥飼は何故か分からないが、腹の底から力が湧いてくるのを感じて、笑いが込み上げてきた。鳥飼は込み上げてくる笑いで、差した傘を揺らしながら中野島ガーデンブリッジを歩き、堂島川を渡った。そして、日本銀行大阪支店を左に折れて堂島通りに出た。少し歩いてからタクシーを拾い、ホテルとは反対方向の南に向かって走った。

更にもう一度タクシーを乗り換えて梅田のホテルに戻った。用心のためだった。部屋に入るとシャワーも浴びずにベッドに倒れ込み、欲望解放後の心地よさの中で眠りに落ちた。

その頃、木星にある遠隔監視サイトの高感度生命エネルギーセンサーは、フォントスの生命エネルギーパターンを日本の近畿地方で検出していた。

 

👉『愛と慟哭の果て』連載記事一覧はこちら

【イチオシ記事】夫の不倫現場に遭遇し、別れを切り出した夜…。「やめて!」 夫は人が変わったように無理やりキスをし、パジャマを脱がしてきて…

【注目記事】「いじわる…しないで下さい」…背中のフックを外され、左右とも指でなぞられた。口に含まれ舌で転がされると声が出てしまい…

 

ゴールドライフオンラインは、表現者を応援するウェブメディアです。
生身の人間が紡ぐリアルな言葉だからこそ、読者の心を揺さぶる力があると確信しています。
あなたも、"表現者"になってみませんか?
ゴールドライフオンライン編集部:glo_henshu@gentosha.co.jp