【前回の記事を読む】「クレアチニンも横ばい」「横ばい大好きです」「いい趣味です」医者とジョークを言い合う仲だが、なぜか胸がざわつく…
第十四部:普通の生活というリハビリ
薬が減り、数値が安定し、通院間隔が少し伸びた。
医療的には“順調”だった。
だが、ここで始まるリハビリがある。
普通の生活に戻るリハビリだ。
これは思っているより難しい。
今は、病気になっている異常な状態が普通にいる。
まず、時間の使い方が分からない。
入院中も、自宅療養中も、生活は「治療中心」だった。
起床→測定→服薬→記録→休息。
そこに「自由時間」はあったが、「通常時間」はなかった。
通常時間は、自分で設計しなければならない。
朝、予定が空白だった。
白い。ぽっかり空いている。
「何すればいい」
口に出た。
贅沢な悩みだが、現実だった。
何をしていいかわからない。
私は試しに“やることリスト”を書いた。
・散歩
・読書
・ログ整理
・減塩研究
・ストレッチ
3つ目までは医療圏だ。
4つ目も半分医療だ。
純粋な生活が、少ない。だんだんとできることやりたいことが減っていく。
母が言った。
「仕事、少し戻す?」
「まだ怖い」
「じゃあ作業」
「作業」
「短時間」
“仕事”ではなく“作業”。
言葉の負荷を下げる。
これは良い方法だった。
午前、机に座った。
45分だけ。
タイマーをかける→集中する→やめる。
これを2回。