「おーそうかい! それはすまなかった。おじさんを許してくれっか……というか姉ちゃん頑張れや! 俺もよう、昔、母ちゃんと付き合うのに頑張ったんだよなぁ」

「えっ! そーなんですか?」

瞳はかなり興味ありげに話を聞いていた。

「おーそうよ実はよう俺と母ちゃん十(とう)離れてるんだよな。俺は茨城なんだけどよう母ちゃんは東京から嫁さ来たんだよな」

「えっ、恋愛結婚なんですか?」

「そうよ! 昔はよ、見合いが多かったんだよな。俺の父ちゃんの知り合いの紹介ということで東京に大工仕事に行ったのがきっかけなんだけどよ、その増改築の仕事で行った先の娘が母ちゃんだったという訳なんだな」

男性は鼻を赤くして二人に誇らしげに言った。ちなみに英介は自分の想像と男性の言う話がミックスされてどう反応してよいものかわからなかった……しかし瞳は違った……。

「何かドラマみたいで素敵ですね!」

「そうかい! 何だかこんな可愛らしいハイカラな姉ちゃんにそったごと言われるとおじさん照れちゃうよな!」

英介が二人の会話に入る隙は全くなかった。

「んでよ、そん時母ちゃん二十歳(はたち)で東京の女学校? 女子大と言うのかい? 通っててな、初めて会った瞬間、何とも清楚でよ、たちまちおじさんのハートをドキュンだ!」

「一目惚れですね。素敵!」

「おじさん何とか母ちゃんと知り合いになりたくて頑張って一生懸命話したんだよな。んでよ女学校卒業してから嫁に来てもらったという訳さ。そっから子供五人孫十五人ひ孫五人という訳さ」

「ひ孫さんおられるんですか」

「そうよ! はっはっはー」

男性は話し相手が瞳でかなりご機嫌だった。

そうもしているうちに二人は想像とは全く違った光景を見ることとなった。

「お父さんお待たせしました」

モデルさんのように背筋がピンと張っていて、美形で笑顔の素敵な女性が男性に近づいてきた。

「母ちゃん待ってたよ。今までこの人たちと楽しく会話をしてたんだよな。というのも座るとこないからよ席立つ前にこの人たちに席を譲ってやろうと思ってな。んだが、何だか会話弾んじゃってよ」

「あらそうなの。それは良かった。ごめんねお化粧に時間かかっちゃった」

「やっぱり、そーだど思ったよ。俺もよ便所行ってくるからよ待っててくれっか?」

「ハイハイお待ちしております」

女性は笑顔で席に座った。そして男性がトイレに向かったのを確認してから二人を見た。

「ごめんなさいね。お二人にご迷惑おかけしたんじゃないですか?」

「いえそんなことないですよ。素敵なお話を伺っていたところです」

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