英介は残り三分の二ほどある生ビールを一気に飲み干した。 

「今回、早川さんとお酒を飲み交わしているのも何かの縁でしょう。というか私も酔ってきたみたいです。勝手な独り言をこれから言いますので良ければ聞いてください」

英介はネクタイを解き言った。

「だったらこんな所で時間を過ごさずもっとしなくてはならないことがたくさんあるはずです。

今までとは違ったプロジェクトにおけるコンセプト・出演アーティストの選別・幅広い年齢層にあったイベント企画・御社なりの広報宣伝活動など、来場してもらったお客様に今回の夏フェスは良かったから、また来年も参加したいと思っていただけるような取り組みをしなくてはいけないんじゃないんですか?

早川さんのおっしゃる通り夏フェスの来場者数・知名度・売上額は共に年々下降気味です。もう昔ながらの腐れ縁はやめませんか。当社にすがってばかりいるといつか足元を掬われかねないです」

早川はびっくりした顔で英介を見た。

「係長であれば係長なりに……というか一人の戦士として他人にはできない何か長所あるいは個性を必ず誰しも持ち備えていると思えるんです。

それを引き出して私に良い結果を見せてもらえませんか。あなたなら必ずやり遂げると私は信じています……必ず。さぁ次は私の番です……」

ビールジョッキを片手に英介は、

「マスター二人分おかわりお願いします」

 早川は悔しさからか涙を流し、鼻水を垂らしていた。

「わかりました。何かあれば私が全て責任を負います。崖っぷち、会社に従事して三十三年ここで経験してきたことを活かし全て出し尽くし恩返ししていこうと思います。風間さん……」

「生ビールお持ちしました。あと……うちからのサービスです。筍と菜の花の煮びたしもどうぞ。うちの美味しいですよ」

おかみさんがおもてなししてくれた。

ついでに早川は残りのメニューを頼みビールを口にした。

「では風間さんの番ですよ」

早川はさっきとは違い何かすっきりした感じで言ってきた。

「ええ。それなんですが、私が一人でじっくり考えたかったこととは、最近というか昨日知り合った女性とのことです」

「えっ、風間さんご結婚されていなかったんですか……あまりにもイケメンなんでされているとばかり思ってました」

早川は驚きすぎてビールが喉の変なところに入り咳き込んでいた。

「それで……」

英介は実に言いづらかったが話を続けた。

「二十五歳なんです。劇的な出会いがあり今に至ります。二十四歳差です。彼女はものすごく良い子で目を見ていても嘘がない綺麗な目をしています。でもあまりにもうまくいき過ぎていて考えるたびに恐ろしくなってきます」

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