まさに、ペガサス伝説とも言うべきこの伝承(でんしょう)の物語は続きます。
今の宮殿のパティオの辺りに舞い降りたペガサスは、その瞳から赤い宝石のルビー色に輝く光をろうどく放っています。
そして、目を丸くして驚いている初代の国王に向かい、劇場で一人朗読しているかのような、はっきりゆったりとした声でこう語り出しました。
「王よ! この地に王宮を築くがよい。
私は、王国の長き繁栄を見守り続けよう。
もし、何か迷いごとや尋ねたいことがあれば、私の“分身”に聞くがよい。
その分身は、次の王にも、その次の王にも、さらにその次の王にも、代々守り繋(つな)いで渡してほしい。
ただし、私の分身に何か迷いごとや尋ねたいことを聞いた後、四年を待たねば次にその分身は何も答えることはできぬ。
そう、私の分身への問いは四年に一度できるということだ。
では、お前とみなのユートピリッツ王国に幸(さち)あれ!」
ペガサスは初代の国王にこう告げると、左右の翼を大きく広げ尾を天に向けて垂直に伸ばし、そのまま空へと舞い上がるのでした。そして、国王の頭上を旋回すると、何と不思議なことに、たくさんの白いハトに変身するではありませんか。
国王は空を仰ぎ、白い翼を大きく広げた何羽ものハトが、青い空に浮かぶ白い雲に吸い込まれて消えるまで、ずっと見ていました。
『あの空に飛んで行ったハトがペガサスの「分身」なのだろうか?』
国王はそう考えました。
『だとすれば、ハトはこの地に舞い降りてくるのだろうか?
何か迷いごとや尋ねたいことがあれば、そのハトに問うてみればよいのだろうか?
それにしても、本当に不思議なことがあるものだ!』
そんなことを考えながら、ふと足元を見ると、翼の生えた何物かの存在に気が付きました。胴体は、ハトほどの大きさをしています。国王は、かがみこんでその物をじっと見つめました。すると、その物の腹の下辺(あた)りから赤い光が漏(も)れていることにも気が付きました。
国王は、それらが何であるのかすぐにわかりました。
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