【前回の記事を読む】日本はアメリカに比べて歯科医療の発展が遅れている!? 一般開業医と保険医療の制度が悪い方向に影響か

第1章 保険診療はベストな医療ではないという問題

日本の保険制度と米国の専門医制度

■自由診療をすすめられない原因1:罪悪感

「医は仁術」と呼ばれています。仁術の意味は、仁愛の徳を施す術です。人を救うのが医者の道です。金もうけに走るなど、使命に反するということです。医者を批判する場合にいうことが多く、この表現をもじって「医は算術」ということもあります。お金やビジネスに関する教育が皆無なまま、歯科医院の経営者になったことに起因しています。

お金に貴賤はありませんし、価値ある治療に正当な対価を求めるのは、強奪でも騙しでもなく、平等な等価交換に過ぎません。治療には私たちの技術や、設備や経験が加味されるのですから、私たちの治療は唯一無二であり、その価値ははかり知れません。

■自由診療をすすめられない原因2:不成約時の心配

「自由診療をすすめて成約しないと、保険の診療すらせずに転院してしまうのではないか?」「それならこのまま波風立てずに、保険診療を受けてもらった方がマシなんじゃないか?」「あそこは高額な治療を吹っかけてくるボッタクリの歯科医院!と拡散されるのではないか?」「金儲け、欲深い先生という悪い評判が立つのではないか?」

そんな不安も自由診療を勧められない理由です。

■自由診療をすすめられない原因3:決めつけ

「きちんとプレゼンしても、この患者は治療の価値をわかってはくれないだろう」「とりあえず保険で、ということになるだろう」「これだけ高額だと、この患者には経済的に支払う余裕はないだろう」もちろん思った通り、患者さんに断られることもあるでしょう。しかし、それは単なる決めつけに過ぎません。