とにかく一緒にいて楽なのだ。全肯定をしてくれる。

もちろん何でもかんでもごもっともという態度ではなく、嫌なことは嫌! 出来ないことは出来ない!と言ってくれる。それでも嫌な気持ちにはならない。

要するに、女の友達にありがちなめんどくさい束縛や嫉妬や陰口をほとんど聞いたことがない。

話の内容は未来のこと、好きなこと、行きたい所、いつか出逢う運命の人のこと、今日あったちょい笑い話など『ふふ♡』と笑える話ばかりだ。

だから少々落ち込んでいても春海のたわいのない話を聞いていると心が和やかになっていく。

本人は意識していないかもしれないがそういう癒やしの人はいるのだ。

高校から入学した同級生もいたが、彼女らとはフィーリングが合わず一緒にいても安らげなかった。それからは距離を置いて一緒にはいなかった。

そんな中で横浜からきた春海だけは友達になってくれた。

「渚、今日は何のいいことをするの?」

「えー? 歯を磨いて一善かな?」

「そんなの当たり前じゃん。私はね、挨拶かな? 機嫌がいい時も悪い時も同じように笑顔で挨拶するようにする! 機嫌が悪い私は他の人には関係ないもの」

「私はすぐ顔に出るから無理やね、春海がうらやましい! どんな人に対しても笑顔で接していけるから人見知りの私からすると超人みたいなもんよ」

「喜怒哀楽を正直に出すのは素直かもしれないけど、そのことで人を不快にさせたくないの! 自分の機嫌は人を笑顔にすることでなおす!」

「いい性格してるわ」

今日も春海のおかげで元気出てきた。ありがとう春海!

 

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