日本列島横断旅行
たかちゃんは、日本中、北は北海道から、南は沖縄まで、お婆さんに連れて行かれた。
出発の時も、いつもの様にお婆さんが、たかちゃんを呼んだ。
「なあに、婆ちゃん」
「たか、今日は、遠出をするからね」
「うん、いいよ」
たかちゃんは、軽い気持ちでいた。
その日の夜になると、お婆さんは、たかちゃんを連れて東京の上野駅に行き、上野から夜行列車に乗り、北上して、青森を目指した。
たかちゃんは、夜行列車に乗るのは初めてだった。
弁当を買い、寝台車で眠る前に、買った弁当を食べながら、夜の街を直走る夜汽車の窓には、真っ暗な世界が広がっていた。
「ほら、たか、急ぎな、次の電車に乗り換えないと」
「ああっ、待って、婆ちゃん」
たかちゃんを連れたお婆さんは、青森から北海道に渡るために、青函連絡船に乗り本州を離れ、北の海と繋がる津軽海峡を渡って、北海道に入った。 たかちゃんには、初めての北海道だった。
そして、北海道に上陸してから、そこからバスや車で移動して終点まで行き、更に電車を乗り継ぎ、北の港から、先ず奥尻島へと渡った。
漁業が盛んな奥尻島では、孫娘を連れたお婆さんが珍しいのか、たかちゃんは、漁村の島民から歓迎された。