CT検査は形の異常を診るのに対し、PET検査はブドウ糖代謝などの機能から異常を診る精度の高い検査です。

簡単に言えば、がんの大好物なブドウ糖に放射性同位元素を付加した薬を点滴で体内に注入し、画像撮影をする検査です。もしもがんであれば、画像撮影でブドウ糖ががん細胞に集まり画像にその部分が光って写るのです。

PET検査の結果は、みごとに【黒】です。

「直腸近くの腹膜にも、がんが転移しています。病名は【腹膜播種(ふくまくはしゅ)】です」と告げられます。

腹膜播種とは、がんの腹膜への転移を言います。がん細胞の種が、播(ま)かれたようにお腹の中に散らばる様子から付いた名前です。腹膜播種は、胃がんにおいては【リンパ節転移】【肝臓転移】と並んで、最も頻度の高い転移の一つです。

特にスキルス胃がんでは、発見された時点で腹膜播種であることが少なくないそうです。にわかには信じがたい告知です。

そんな馬鹿なとは思いましたが、でも怖くはありません。以前は、検査の結果を聞くときにはドキドキしていましたが、不思議です。

スキルス胃がんからの転移なのに、あまり怖くないのです。がんを発症し、いろいろと体験して考え方とか、性格が少し変わったのでしょうか。

担当医師から、

「胃がんからの転移は、標準治療では抗がん剤・放射線治療となっていますので、放射線科を紹介します」と言われます。

また、標準治療が登場しました。

前にもお話ししましたが、私は、標準治療だけの治療法には疑問をもっています。標準治療だけではなく、患者一人一人の症状・治療の経緯・性格などを考慮した、治療方法も必要だと思っています。

私としては、腸閉塞での入院中に39℃以上の高熱が5日間も続いたので、がん細胞はすべて死滅したと思っていますが、これだけいろんな検査の結果は黒で、これだけ証拠を突き付けられたら仕方がないかと、他人ごとのように思いました。

放射線科受診の予約日が、決まります。

試し読み連載は今回で最終回です。ご愛読ありがとうございました。

 

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