私(わたし)は、雲の中に、私(わたし)の虹(にじ)をかける。それが、約束(やくそく)のしるしとなる」

おいらは、心の中で思った。

“そうか、この星が、水のカプセルの中にあった時は、虹(にじ)が出来なかったんだ。だから、そのカプセルを壊(こわ)すことによって出来るようになった虹(にじ)は、神(かみ)さまにとっては、反省(はんせい)のしるしにもなり、ノアたちにとっては、大雨を恐(おそ)れて生きた動物(どうぶつ)をささげずにすむための、神(かみ)さまの考えなんだろう”

【ノアの三人の息子(むすこ)たち】

ある日のこと、おいらが、ノアのいるテントのそばでウトウトしていると、突然(とつぜん)「ワァ~父さんが、酔(よ)っ払(ぱら)って、裸(はだか)で、テントで寝(ね)ているよ」という子供(こども)っぽい声が聞こえた。

おいらは、すぐにその声が誰(だれ)のものか分かった。

「ハムだ」

おいらが言い終(お)わらないうちに、ヤペテとセムが、テントの入り口で、ノアの服(ふく)を肩(かた)に掛(か)けて、父親の裸(はだか)を見ないようにして、後ろ向きになって入っていくのを見た。

おいらは、

“二人の兄たちが、父親の裸(はだか)姿(すがた)をどうにかしようと、服(ふく)を被(かぶ)せてあげようとしているんだ”と思った。しかも、後ろを向いて裸(はだか)の父親を見ないようにするのは、どこからの知恵(ちえ)なんだろう? それとも、ノアのことを恐(おそ)れているのだろうか?”

おいらには、分からなかった。

でも、後(のち)にノアが、この出来事(ごと)で、ハムを呪(のろ)って、ヤペテとセムの幸(しあわ)せを願(ねが)ったことを知って、おいらはショックを受(う)けた。

 

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