もし、おいらが、こんな助(たす)け方をされたら、舟(ふね)の外で苦(くる)しんで死(し)んでいく人たちや動物(どうぶつ)たちが気の毒(どく)で、こんな出来事(ごと)があったのを忘(わす)れさせてほしいけどなあ。このノアの自分勝手(じぶんかって)な考え方を神(かみ)さまは悪(あく)だとおっしゃっているんだろうなあ。

初(はじ)めからっていうことは、多分(たぶん)、神(かみ)さまが人をつくられた時からってことだから、人は、みんなそんな自分勝手(じぶんかって)な考え方を持(も)っているってことなんだろうね。そういえば、アダムもイブもそうだったよね。

でも、それだったら、悪(あく)は、人が必(かなら)ず持(も)っているものだってことだよね。ノアは、その悪(あく)の心が強(つよ)くなってしまったので、神(かみ)さまは嘆(なげ)かれて、反省(はんせい)されているんだろうね。

それに、神(かみ)さまが、こんな助(たす)け方をされたのには、多分(たぶん)、ノアを助(たす)けるだけではない。もっと違(ちが)う大きな理由(りゆう)があると、おいらは、思うんだけどなあ”

おいらが心の中でこんなことを考えていると、天からの神(かみ)さまの声が大地を揺(ゆ)らした。

「さあ、私(わたし)は約束(やくそく)しよう。君(きみ)たちと、そして後(のち)の子孫(しそん)と。また、地の全(すべ)ての生き物(もの)と。もはや、大雨がこんなに地を滅(ほろ)ぼすようなことはない。私(わたし)と、君(きみ)たちとの約束(やくそく)のしるしは、これである。