【前回の記事を読む】定年退職後にフルタイムで派遣の仕事に就き、合間に障がい者グループホームの夜勤、習い事、町の交流会、執筆と充実した毎日

第1章 定年退職とその後の仕事

1.定年退職

何度も異動を経験した。会社初の出向で専門学校の講師をやるよう言われた時はとてもショックで、病気や怪我で入院することになったらこの話はなくなるだろうかと負の思いを抱いたこともあった。

専攻開講の準備をし、テキストを選んだり作ったり、カリキュラムを作成したり、授業を受け持つだけでなく担任として学生指導に当たったり。

業界の専門知識や英検対策の授業が主だったが、そんななか、私独自のコマを作った。「カルチャー」自分の得意なことと豊富な人脈を活用して授業をやった。学生たちに自分が親になった時に子どもに読ませたい絵本を探して発表してもらったり、学校に中国人の医学部留学生夫妻を招いて学生と交流させたり、校外で体験授業をやったりした。

当時福岡にあった劇団四季の専用劇場に出向き、俳優たちに日本語のセミナーをやってもらったことがある。あるパーティーで得た人脈でそのお誘いを受けた時は、「講師」という立場の役得を感じ、私も興奮しながらセミナーを受講した。

学生たちに様々な文化に触れさせ、自ら考え行動する人に育ってほしいと願い運営した「カルチャー」だった。

そうして3年間の出向を終えた後は、とても貴重な経験をさせてもらった、やってよかったと思えた。教え子たちが社会に出て活躍している姿を見たり、「先生に教えてもらったことが役に立っています」と言われたりすると、これが教師冥利に尽きるってことだなぁと思った。

三十数年の在職中、出張や研修であちこちに行かせていただいた。またプライベートで元上司や友人知人を訪ねて行った場で新たな人を紹介してもらった。会社のイベントでボランティアスタッフが募集されるとすぐに手を挙げ、福岡県外も含めていろんなイベントにも関わらせてもらった。