「語呂がハミガキみたいだし、なんか当たる気がしないじゃないか」

「そんなこと言わないで……、ね、やろ?」

社務所に「葉みくじ」二百円と書いた紙が貼ってある。小さな神社なわりには人が群がっていた。

「どうやって、『葉みくじ』引くんですか?」

由利子も葉みくじは初めてらしく巫女さんに尋ねた。「あそこの木の葉を一枚採ってきてください」

若い巫女さんは、穢れない笑顔で言った。

言われた方向には人間の背丈の二倍くらいの丸葉の常緑樹があった。

意外と小さい。あれでは大勢の人が葉を採ったらたちまちなくなりそうだ。平日ならまだしも正月とか七五三とか、それなりの人数が参拝するはずだ。

オレは余計な心配だと思いながらも巫女さんに訊いた。

「みんなが葉っぱを採ったらたちまち木が枯れてしまいませんか?」

そう言ってから、やっぱり余計なことを訊いてしまったと後悔した。

「成長が非常に早い種類なのでご心配はいりません」

と、微笑みを絶やさない巫女さんは言った。

「ほら、やってみましょうよ」

巫女さんに言われたとおり、オレたちはそれぞれいいと思った丸葉を採って代金と一緒に巫女さんに渡した。すると、引き換えに大きくて長い葉が返された。

「これを陽に当てていただくと文字が浮かびます」

渡された葉はなんの変哲もないただの葉っぱに見えるが、文字なんて本当に出てくるのか。葉っぱで遊ぶ子どもの料理ごっこじゃあるまいし……。

すると、

「光合成の作用で、葉脈の間に透けたような文字が出てきます」

オレの不審がる表情を読み取ったのか、巫女さんはすかさず補足した。

 

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