【前回の記事を読む】祈願成就の可否は、絵馬の大小によっても変わる? 地位や名誉、財産などの情報は一切関係なく…
第一章
神様の願い事
そして会議はいよいよ終盤に入り、議長は疲れた声を振り絞っていった。
「次に、就職祈願の部です。三件ですのでまとめて審議します」
さすがに息が切れてきた議長は一息ついて、要旨を読み上げた。
「九十九号、百号案件。
願意は、いずれも新卒学生の就職祈願。就職希望先はそれぞれ住宅業、金融業。
願出者はともに約一年にわたり猛勉強を続け、顕著な努力をしてきた模様。参拝回数は一回ながら奉納絵馬は大一枚。評価はともに『A』となっております」
そして、本日最後の案件が高らかに読み上げられた。
「続いて、百一号案件、願意は、正規職員への登用。
就職希望先はサービス業。願出者は約一年にわたり、正規職員以上の労働をこなし、残業を惜しまずひたすら業務に専念した模様。奉納絵馬はありませんが参拝回数は三百回超。評価は文句なしの最高ランク『A』……」
議長役の神様は最後にもう一回息を継いでから言った。
「さあ、いかが計らいましょう」