【前回の記事を読む】どうしてこんなことに――女の子が水の中に座りこんで泣きじゃくっている!? 女の子にいったい何があったのか…
ありがとうの魔法(まほう)―砂時計の中の唄姫 後日談(ごじつだん)
レティは嬉しくなって、また唄い出(だ)します。
すると今度は森の中から歌に誘(さそ)われるように、森の動物(どうぶつ)たちが次々(つぎつぎ)と集(あつ)まってきました。
たぬきにリスにおおかみまでも、レティの近(ちか)くに集まって、お行儀良(ぎょうぎよ)くレティの歌に聞き入(い)っています。
レティの歌が終(お)わるたびに、小鳥たちは、ついばんできた小さな花を空(そら)からいっせいに降らせます。
それを見ていた動物たちも、それぞれに思いついた物をレティのためにと持(も)ってきました。
たぬきは木苺(きいちご)、リスはくるみ、おおかみは食べられそうな草(くさ)と、それぞれに考(かんが)えついた贈(おく)り物を持ってきたのでした。
動物たちの片(かた)すみで歌を聞いていたうさぎの親子(おやこ)は、自分たちが食べるためにつんできていた白詰草(しろつめくさ)をレティのヒザの上にそっと置(お)きました。
「まぁ、かわいらしい花束(はなたば)ね。私がもらってもいいの?」
レティがそう尋(たず)ねると、うさぎの親子は「どうぞ」とでも言うかのように頭をペコリと下(さ)げてみせます。
「ありがとう」
嬉しそうにレティが言います。
それからしばらくの間、レティは動物たちのために歌を唄いました。
そして太陽(たいよう)が西(にし)に傾(かたむ)き始めるころ、動物たちは森の中へと帰っていきました。
それと入れ違(ちが)いのようにアルフレドが森から帰ってきました。
「ただいま、レティ」
「お帰りなさいアル。あのね、今日ね」