レティは今日あった出来事(できごと)をアルフレドにすべて話(はな)しました。
「へぇ、そんなことがあったんだ。それにしてもこれ、すごいね」
アルフレドは、レティの頭の上の花や果物(くだもの)や木(き)の実(み)を見て本当(ほうとう)に感心(かんしん)しました。
「レティの歌はやっぱりすごいね。動物たちの心までも、こうして動(うご)かしてしまうのだから」
レティは恥(は)ずかしそうにほほ笑(え)みます。
「この動物たちからの贈り物は、レティへのありがとうの気持ちなんだよ」
「そうかしら」
「そうだよ! それほど君の唄声はすばらしいんだ! ああ、そうか。どうしてこんなことに、ボクはもっと早く気がつかなかったんだろう。君の唄声を毎日聞いていたボクは、なんて幸(しあわ)せなんだろう」
そう言いながらアルフレドは、レティの手を握(にぎ)りしめます。
「ありがとう、レティ」
「え?」
「毎日歌を唄ってくれてありがとう。君の歌を聞くたびにボクは心も体(からだ)も軽(かる)くなって、とても優(やさ)しい気持ちになれるんだ」
アルフレドから初めて感謝(かんしゃ)の気持ちを伝(つた)えられたレティは驚いてしまいました。
「これからは毎日でも君にありがとうって言うよ」
レティは、とてもかわいらしい、とびっきりの笑顔(えがお)でアルフレドにこう言いました。
「どういたしまして」
二人はお互(たが)いの顔を見合(みあ)わせながら、大きな声で笑います。
二人の旅はこれからまだまだ続きます。
初めての国
(ありがとうの魔法―砂時計の中の唄姫 続き)
アルフレドとレティが旅を始めてから、もう半年(はんとし)くらいが経(た)ちました。そして二人は今、初めて訪れる国(くに)へと来ていました。
「この国には、ボクも初めて来るなァ」
「そうなの?」