「何か質問ありますか?」
三人に笑顔で聞いてきたが、全く頭に入っていない。
トン吉が「あの、彼氏いますか?」と突然言うと、女性スタッフは「え?」と一瞬おかしな顔をしたが、「彼氏は一発で免許取れる人がいいですね」と満面のほほ笑みで返してくれた。三人は「はい!」と元気に答えみんなで笑った。
「今日は三人とも申し込みに来たんです」
「そうだったんですか! ありがとうございます。ご入所の申し込みをされるのでしたら、只今、ご紹介キャンペーンをやっておりますので、どなたかご紹介者からの紹介カードをお持ちですか?」
「誰か持ってる?」翔太が尋ねた。
「いや、トン吉は?」キーボーが聞く。
「俺もねー」
「みんな車はここで取ったんですが」翔太がアピールした。
「それはありがとうございます。今回のキャンペーンは二輪教習をお申し込みされた方からのキャンペーンとなっておりますので……もしよろしければ、初めにお一人が申し込みをされて、次の方をご紹介していただき、また次の方をご紹介していただくという形で手続きをさせていただき、皆さまにクオカードをプレゼントできるようにいたしましょうか」と天使のような笑顔で言ってくれた。
トン吉がまた「お礼にごはんごちそうさせてください!」と言うと、
「ありがとうございます。一発合格したら誘ってくださいね」と、またもや神対応で返答された。
トン吉は燃えている(笑)。
「必要書類は全部持ってきてるので、このまま手続きお願いします」
「それでは、別のスタッフがお二人の手続きをいたしますね」
「お願いします」翔太は頭を下げた。
トン吉が肘で脇腹をつつき、俺に代われと目くばせをしてきた、しょうがなく席を替わってやり、トン吉の耳元で「一杯おごりな」と言って、翔太とキーボーは隣のテーブルに移動することにした。
すると、翔太たちにはさらにかわいい女の子が対応してくれることになった。トン吉の目だけがキョロキョロしていてこっちを見てくる。キーボーの鼻は勝ち誇るように膨らんでいる。ここは天使のようにかわいい子ぞろいで、翔太たちは通うのが楽しみになった。車の時はそんな気にならなかったが、書類を書き込み、教習料を支払い、必要書類を提出して手続きを完了した。
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