11月18日に帰国したYMOは12月24日~27日の4日間日本武道館での公演を大絶賛で終え、さらに12月31日TBS日本レコード大賞で〈ベストアルバム賞〉を受賞する。
猛烈な勢いでスターダムを駆け登ったYMOの3人は、街を歩けば声をかけられる状況に、ますます神経質になっていく。
年末の『FNS歌謡祭』で生出演したときの坂本の様子を高橋はこう語る。
「FNS歌謡祭で賞をもらったとき、教授はステージの上で半分ポワーンとしてましたよね。
人の話をほとんど聞いていないというか。教授はあの頃の現象が嫌で、いつもふてくされてました 5」
細野晴臣も当時のことを次のように振り返る。
「YMOが、自分たちではコントロールできないものになっていくんです。大変でした。
あの頃は自宅に魂を置いて、身体だけが外に出ていくような感じだったな。幽体離脱……いや、その逆だね(笑) 6」
年が明けて1981年、次なるYMOのニューアルバムが3月に発売されることを発表。
次はどんなアルバムでYMOは驚かせてくれるのだろうとファンは期待した。
広告もその期待感を表すものであった。
「梅は咲いたか、Y・M・Oはまだか。」「おニューのY・M・Oどすえ。」という広告コピーとともに芸者がレコード盤と戯れるティザー広告は国民のワクワク感を煽った。
ところが、このアルバムは国民の大半の期待を裏切るものとなる。
1――近田春夫「増殖×∞マルティプライズ/JAM」サウンドール特別編集『サウンドール4月号増刊 ymo Book』
2――『別冊宝島885号 音楽誌が書かないJポップ批評30』
3――『シン・YMO』
4――田中雄二『電子音楽 in JAPAN』
5――門間
6――細野晴臣「細野晴臣インタヴュー」鋤田正義×Yellow Magic Orchestra(細野晴臣、坂本龍一、高橋幸宏)『Yellow Magic Orchestra×SUKITA』
次回更新は4月12日(日)、20時の予定です。
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