人の輪を外れてスマホを開き、SNSのフォロワー欄を開いた。相互フォローの中から女性っぽい名前のユーザーの画面を開く。

……このアカウントの人、今日来るって書いてあったけど……女の子だといいな。

すがるような気持ちで画面を見た。

いや、けどアカウント名が女性らしい名前でも男の人かもしれない。私も男だと思われていたわけだし。

女の人である確信を探してそのユーザーの投稿欄を血眼になって見る。

「あの」

すると不意に、花びらのように声が落ちてきた。

自分にかけられた声だと思って視線を上げたわけではない。こんな声を出す男の人はどんな顔なんだろうと思わず顔を上げてしまった。

「生姜を赤く染め衛門さんですか?」

その声が本当に綺麗だったから、今更そんな名前を付けたことを後悔した。