《同・泉石の部屋》
安兵衛は、まだハアハアと息を切らしている。
泉石「ご苦労であった」
封書を安兵衛へ渡し、
泉石「これを大杉殿に渡してくれ。着いたばかりで疲れておろうが……」
安兵衛「は、は、(息を整えながら)ははあ~、それでは、直ぐに」
と、部屋を出ようとするが、よろけて倒れる。
泉石「まあ待て、……今日はもう遅いからゆっくり休め。ウム、しかし、明日の夕までには必ず届けてくれ」
《朝日の中を走る安兵衛》
《松並木》
初老の農民風の男が「う~ううう」と唸って腹を押さえて倒れている。
安兵衛、通り過ぎるが、引き返す。
安兵衛「お百姓、いかがいたした」
と、倒れている男の顔を覗き込む。
《街道(夕)》
膨張して見える夕陽。
飛脚走りが乱れ、顎を突き出しながら走る安兵衛。時々、歩いている旅人に突き当たり、すいませんと謝りながら走っている。
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