「どういうことよ?」とマコトが聞き返し、後の二人は僕の説明に耳を傾ける。

「『かめへん、かめへん』ってこと」

「確変って、2回連続して言うってことね? 先生、言いそうやなぁ」とマコトがニヤけて、「その時は2ポイントやな」と続ける。

「マコト、お前はアホやなぁ。『かめへん、かめへん』は、革命やないか」

「革命? 革命なん? 革命て!」とマコトはケラケラ笑って、他の二人も笑った。

「『かめへん、かめへん』は革命で、これが出た時点で大勝利や。最強ってこと。大富豪みたいな感じでひっくり返って、三位でも革命起こしたら一位になんねん」

「なるほど。そしたら革命さえ起こせば、大逆転できる可能性が常にあるっちゅうことや」

「せや、大逆転狙える要素を盛り込む事で、ゲーム性が高まるやろ?」

全員が納得したところで、本大会のオフィシャルルールが決定した。教室の隅っこで、いつだってイタズラを考えながら笑い転げる僕ら悪童四人組。鉄骨に包囲された二年八組の教室で、マコト、小林、タケ、そして僕。しょうもない計画を企てて、まるで宝石でも探しに行く冒険家のようにキラキラした眼とワクワクした鼓動と共に僕らは懸命に生きた。コソコソと悪巧みを画策している僕らを察したように、クラスの委員長の美樹が接近してきた。

「あんたたち! 次のホームルームで、また、ちょけようとしてるやろ!」

美樹は責任感があって、面倒見がよくて、凛としていて、いわば漫画に出てくるようなベタな学級委員長だ。クラスをまとめようとして、好き勝手に行動する僕ら四人に腕組みし、いつも注意をしてくる人物。

「おい! あんたら、委員長の私の言うこと、聞いてんの!?」と言った美樹に「うっさいなぁ」とマコトが煙たそうな態度をとる。続けざまに「次のホームルームで、学園祭の出し物、決めなあかんねんで! あんた、わかってんの?」「はいはいはい」「はいが多い!」「はいはい」「一つ多い!」「はい」「ほんま、頼むで」「はいよ」「よ、が増えてる!」

美樹とマコトは、僕らの前で夫婦漫才のようなものを繰り広げた。二人は付き合っている。詳しくは聞いていないが、もうアレも済んでいるんだろう。二人の阿吽の呼吸が僕にそんなことを思い起こさせた。

次回更新は3月20日(金)、14時の予定です。

 

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