【前回の記事を読む】初めは、がんとの因果関係がトンと見当つかなかったが、世界的に研究されて確からしい。オカンを救うには「これ」しかない

第2章

「建築年月日は戦前ちゃいますよね?」と言いたくなるようなボロボロの木造校舎の三階の教室で、僕たちは青春の日々を過ごしていた。授業中、机の上に頬杖をついて教室の窓から見える景色を眺めて、頭の中であーだこーだと様々な角度や視点から夢想するのが大好きな自分。

しかしながら、この教室は、そんな僕にとって超絶最悪なのである。理由は耐震工事なのである。自分推定では戦前建立の老朽化した当該校舎は、施設整備補助金という名の莫大な公的資金を投入されて、耐震補強工事を施工されていた。

教室の窓のすぐ内側には、大きなV字型の鉄骨が入れられている。このV字型鉄骨で補強することにより、耐震強度が増幅するのであろう。そんな「V」。まるで、「Victory!!!」と叫んで主張してくるような完全なる「V」なのである。

僕は窓際の席だったから、その鉄骨の「V」と隣り合わせで、毎日のスクールライフを過ごしていた。僕は、毎日、考えていた。

なぜに「V」やねんー、と。なんか、もっと、あったんちゃうかなぁ。まぁ、構造上の問題など色々と問題があるのだろうけれども、そこは拘って欲しかった。「V」やなくて、もうちょっとシュッとした感じの。まだ「X」とか、「Z」とか、もっと言えば「逆V」とかなら、まだ、やっていける気がする。

でも、「V」て……。なんか恥ずい。こザムい。苦手。「V」と隣り合わせの学園生活。自分が毎日「大勝利やでぇ!」とVサインを出している気がして、マジでこザムい。