【前回の記事を読む】毎日考えていた。なぜに「V」やねんー、と。なんか、もっと、シュッとした感じの。まだ「X」とか、「Z」とか、もっと言えば…
第2章
「駿! おいっ! 駿? 聞いてる?」と籠った声を発して、僕の肩を叩いてきたのは、フンガフンガと息の荒いクラスメイトの小林だ。ただでさえ顔の形が四角形で、馬鹿でかい図体をしているのに、「フンガー」って言ってしまうと一層フランケンにしか見えない。あと、ライトブルーのジャケットだけ用意すればほぼ仕上がるのである。
フランケン小林の言葉に続けて「駿ちゃん的に、『あかんたれ』はどう思う?」とマコトが僕に問う。僕は、「田中先生、めっちゃ言いそうなフレーズやな。全然ありやろ」と回答。
「オッケー。ほな、『あかんたれ』も1ポイントにしようや。タケ、『しもた』の横に書いといてや」とマコトが請求し、同じくクラスメイトのタケが坊主頭を大きく縦に振って頷く。授業で使用したプリントの裏に『あかんたれ=1ポイント』と追記した。
次に「『かめへん』は?」と僕が提案する。「お!? ええやん、駿。『かめへん』は激熱」とフランケン小林が反応。「ほな、『かめへん』も1ポイントな。『あかんたれ』の横に書いて」とマコトが再請求。タケが、プリントの裏に『かめへん=1ポイント』と追記。教室の掛け時計をチラリと見たタケが「そろそろ、田中先生、来る時間やで」と言った。タケの忠告を受けて、マコトが仕切る。
「ほな、整理するで。次のホームルームの時間内で、田中先生に『あかんたれ』『しもた』『かめへん』。この3つのワードを言わせたヤツが勝ちな。駿ちゃん、小林、タケ、俺の個人戦で、言わせたヤツから早抜けな。三位と四位が、一位と二位に、ラーメン奢ることな。オーケー?」
坊主のタケが「一位と二位の差はつけへんの?」と尋ねたので、僕が「一位はトッピング全部のせスペシャルラーメンで、二位は並ラーメンで」と提案すると、全員一致で賛同。「あとさぁ」と僕が付け加えると、マコトとタケと小林の計六つの眼が僕に焦点を絞る。
「『かめへん』については、確率変動の可能性があるやろ?」