「出ました! ポジティブマインド! アイツめちゃめちゃ腹立つヤツやったなぁ」
「そうやんな、俺も同感。サブいサブい、って思たもん」と僕らは先輩OBの滑稽を笑った。
「鼻につく、を絵に書いたようなヤツやったな」
「大企業に入れても、あんなおもんない先輩が上司やったら、絶対に一緒に仕事したないわ」
マコトが声色を変えて「ポジティブマインドを持とうよ!」と、さっきの社会人OBのモノマネをした。「似てないねん!」と僕が言うと、「めっちゃ似てるやろ!」とマコトが返した。
「この校舎の向かい側にね、西二号館って校舎が昔あったんですが……って、こんな話したら年バレちゃいますよね」
「もう、ええて!」
「大事なのは、そういった攻めのマインドだよ」
「しつこいねん! やめっ!」とマコトのしつこい物真似にツッコんだ後、僕は「実は、こう見えて僕ね、高校時代はヤンチャしてましてね」と物真似で返した。「お前もすなっ!」とマコトは笑った。
結果、二人で物真似の撃ち合いをしながら爆笑して歩いて帰った。ガストについたら、タケと小林に物真似を披露して、どっちが似ているか決めてもらおう対決をすることにした。負けた方がドリンクバーおごり。
僕らはいつも、こんな感じだった。こんな馬鹿げた事に真剣に取り組み、二度とは戻らないらしい青春を浪費した。後から振り返ってみても非常に勿体無いし、贅沢な時間の使い方をして、少しの後悔があることを僕はここに自白する。
しかしながら青春とは総じてこういう無駄なものが9割、本当に大切なものがたったの1割、そのような割合で構成されているのかもしれないとも思う。だからこそ青春時代を後から回顧した時に、若者のすべてがぎゅっと詰めこまれたたったのその1割が、眩しいくらいにキラキラ輝いて見えるのかもしれない。
次回更新は3月17日(火)、14時の予定です。
▶この話の続きを読む
スキルスを殺せ。オカンを救うんだ。
【イチオシ記事】40代半ば、自分が女であることを忘れて10年以上。デートや恋がしたくて、ネットで出会い系や交際クラブを探してみることにした
【注目記事】マッチングアプリで出会った男に騙され監禁。そこには複数の女性がいて、上の階からは「お願い、殺さないで」と懇願する声が…