【前回記事を読む】異動から1カ月、「話聞くよ。僕受け止めるから」と先輩に言われた。結婚してるし警戒はしたけど…不倫、したいなあ。
裸を見せて
浮気となれば話は別だ。「魔が差した」ということも人生100年、2回や3回あっても仕方ない。魔がちょいちょい差す人も本当にいる。しかし、生まれ持った性質であれば止むなし。彼らには独身でいてほしいものだが、自覚していない場合もあるので、あちこちで悲劇は起こる。浮気は好きだが、自分の子供も愛しているという人もいるし。
矛盾でもなんでもない、そういう風に生きるしかない。浮気者を配偶者に選んでしまった人は、気の毒ではあるが色んな形で諦めるよりほかない(分かったようなフリをしているが、自分の友人がそんな目に遭えば私は一緒に滅茶苦茶に怒る)。
自分のことに置き換えてみても浮気心は仕方ないじゃないか、と思う。本当に疲れているとき、誰かの膝にすがって泣きたくなることはないだろうか。優しく抱きとめてもらって、辛かったねと言ってもらいたい、そんな気持ちが私にはある。
しかし、夫は夫で仕事で疲れているし、癒しと言えばジャンボリミッキーのお姉さんなのだし、そういう関係性でももうない。
「妻は女性と言うより戦友かな」とか外で言っているかもしれない。
少し優しくされたら「絡めとられる」ように雪崩れ込んでいきたい気持ちは不自然なことではないと思う。しかし、法律ではいけないことになっているし、SNSのおかげで今や一億総警察官の時代だ。
少し厳しいんじゃないの、とワイドショーなんかを見て思う。年若い女優が年の離れた有名俳優と不倫をした、許すまじ、匂わせ罪深し、奥さん可哀そう、子供がいるのに最低。
私は若かりし頃、相当浅はかだった。あっさり絡めとられてしまう女性の気持ちはよく分かる。
うんと年の離れた男性、しかも有名で実績もある、奥さんは才色兼備。そんな男性に食事をしよう、話がしたいんだ、いい店とったんだけどと言われる。段々に食事は逢瀬めいたものになっていく。突然渡されるプレゼント、金額にして何十万、君に似合うと思って。部屋取ったんだスイートルーム、ここのホテルは妻も知らない、僕と君だけの秘密だ。
「これからどうやって生きていこうかな私」と思い悩んでいるうら若き女性がぐらつくのは当然じゃないか。才色兼備の奥さんにも勝っちゃうかもしれない、私、若いもの。そう思ってしまうのも全然自然だと思う。
私そうなりません、決して、不倫は罪です、とラグジュアリーづくめの場面で言いきる人がいたら一千万円あげても良いと思う。またはその人だけは、当該女子に石を投げてもよいと思う。しかし、投げても一銭にもならず、ご自分の鬱憤晴らしですよ、と謹んでご忠告申し上げる。
話が逸れたが、朴訥先輩の「話聞くよ」に私は一瞬よろめいたわけだ、恥ずかしながら。しかしだ。その直後に、この台詞を朴訥先輩は誰にでも言うことが分かった。その日のうちに分かった。私はこれに気が付いたとき大笑いした。朴訥先輩に変だよ、変、と大笑いした。