「オレにまかして。マガタマは、未来を予知するはたらき。理由はミコが身につけて天の声を聞いたり占(うらな)ったりしていたから」研一があいづちを打った。

「なるほど。剣(つるぎ)は?」

「剣(つるぎ)は放電。つまりエネルギーの放出」文子もたずねた。

「鏡は?」

「反射。たとえば、強いエネルギーで撃攻(こうげき)されたときに、はね返せる」文子が首を少しかしげた。

「ふーん。銅たくは?」

「エネルギーを鎮(しず)める。吸いとれるんだ」

波奈は驚(おどろ)いて悟を見た。文子も研一もぽかんとした表情で悟を見ていた。

悟がみんなの視線を感じたのか、

「どうしたの? オレ変なこと言った? へへ。ちょっと思いつきが単純すぎたよね」文子が少しあきれたような顔をした。

「悟くんって、ヒラメキの天才ね」悟が頭をかきながら言った。

「なんか、ほめられたのか、ばかにされたのか」波奈がふと思いついたように言った。

「ところで、担任の藤山先生、あの日の前とあとで、ちっとも変わらないよね。瞳(ひとみ)に炎(ほのお)は見られないし。あのとき怖(こわ)かったわ」文子もうなずいて言った。

「そう。とても恐(おそ)ろしかったわ。でも、今は、何事もなかったって感じよね。いつもニコニコやさしいし」

「藤山先生と龍神藤山氏(りゅうじんふじやまし)は、別人じゃあないかと思えちゃうよ」悟が言うと、文子がからかうような表情をうかべ、

「そうかもよ。藤山先生と龍神藤山氏(りゅうじんふじやまし)は、そっくりだけど別人」波奈は文子の言葉につないだ。

「あるいは、あちらとこちらを、きちんと区別してふるまわないと、とんでもない問題が起きるのかもね」