【前回記事を読む】「おかずは?」と聞かれて、答えられない事に気づく…昨日やその前の残り物。炒め物だったり、煮物だったりの訳の分からない塊…

3 だからさぁ。

番外編

貞さん、食に対して貪欲だが、有り難いことに質には拘わらない。何でも出されたものは文句を言わずよく食べる。質より量なのだ。

人によっては、出来合いの物を出すと機嫌が悪くなるという輩もいるらしいが、その点我家は楽だ。料理嫌いな奴がイヤイヤ作るより、プロが研究に研究を重ねて作った出来合いの物の方がおいしいに決まっている。

「今日は出かけるから、夕飯にお弁当でも買ってくる」と言えば、母親(貞さんの連れ合い)は大喜びだ。因みに私は同じ弁当は買わない。人数分それぞれ違う弁当を買ってきて「どれがいい?」と聞く。

貞さんの選び方はユニークだ。まず値段で選ぶ。もちろん一番高い弁当を取る。値段が同じなら、形の一番大きいのを取る。あっぱれである。

食事時、皿に乗せた料理をそれぞれのランチョンマットの上に乗せる。食卓にすでに貞さんがついていると、ここでまた珍事が起きる。こちらとしては、多少の大小はあるにしても変わらない分量をそれぞれに盛り付けているつもり。

でも貞さんの目にはそう映らないのか、全体をグルっと見回し一番多いと思われる皿と自分の皿を交換する。ワンダフル!

ペッペペッペと貞さんが口から食べ物を出している。近年歯が大分抜け落ち、固いものはどうも噛み砕けず不快らしい。それ故、こちらも気を使いそれなりに細かく刻んだり、薄く切ったりしているのだが、それでも口内に異物として認識されるとペッペペッペとなる。

その物体をいちいち確認し、これはちと固かったかもと思えば、そのまま捨てるが、これくらいだったら食べられるだろうと思うと、それらをまた皿にセッセセッセと入れ戻してやる。

ペッペ、セッセの攻防が数回続く。お付き合いが長いので、とうにお気づきと存じますが、貴方の娘はそんなに優しくないのです。

庭で採れたフキの皮をむいていたら、貞さん現われ、お手伝い