ASDの感覚特性(感覚過敏・感覚鈍麻)
ASDの子どもたちには、感覚の偏りが見られることが多く、特に感覚過敏は日常生活に大きく影響します。
音、光、肌に触れる感覚、匂い、味といった外部刺激を、通常よりも非常に強く感じてしまう特性です。
これは単なる「敏感さ」ではなく、脳内で感覚情報を処理する仕組みの違いに関係しています。脳は通常、視床や島皮質(とうひしつ)などがフィルターのように働き、膨大な感覚情報から重要なものを選別しています。
これは、脳が情報に圧倒されないための防御機能です。
しかしASDの子どもたちでは、このフィルタリング機能がうまく働かず、外部からの情報を一度に強く受け取ってしまうことがあります。
この状態をイメージしやすくするために、私は「大気圏のない星」という比喩を使っています。地球には大気圏があり、宇宙からの小さな隕石(いんせき)を燃え尽きさせて地表に届かないように守っています。
けれども、もし大気圏がなければ、小さな隕石でもそのまま地面に激突し、大きなクレーターを穿(うが)ってしまうでしょう。
ASDの子どもたちの脳は、この「大気圏を持たない星」のような状態です。
エアータオル(ハンドドライヤー)の音や赤ちゃんの泣き声など、通常なら軽く受け流せる刺激が、鋭い痛みとなって突き刺さってしまう。まるで空から降る隕石が脳にダイレクトヒットするようなものです。
こうした感覚過敏は、本人にとって深刻なストレス源です。周囲が想像する以上に、生活の中に「トゲ」が多く存在しています。
だからこそ、私たちが「大気圏」の役割を果たすことが求められます。
音を和らげる工夫や照明の調整、安心できるスペースの確保は、単なる配慮ではなく、子どもたちの尊厳を守る手立てなのです。
感覚のバリアを手渡すこと。それは、子どもたちに安心という名の「大気」を届けることに他なりません。その空気の中でこそ、彼らはようやく呼吸し、活動し、自分らしく生きていけるのです。
一方で、刺激を感じにくい「感覚鈍麻(どんま)」が見られることもあります。
痛みや空腹感に気づきにくかったり、自分の体の位置や動きが把握しづらかったりする場合もあります。
過敏さと鈍麻が混在することもあり、一律ではない理解と対応が求められます。
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