【前回記事を読む】無言で差し出された“簡単には買えない”おもちゃ――号泣する息子を抱え、店を出た私は咄嗟に……

Ⅰ 幼児のころ 1987~1990年

満3歳 「さんたさんとゆきまるだ」(ゆきだるま)
"ばか"から"ばかぁ・や・ろぉ"に

12月13日~29日【3歳5か月】

夕食中に突然、けいた「ねえねえ、おとうさんけんかしたらだめだよ。おかあさんもけんかしちゃあだめだよ」「けんかしたら、おとうさんをやっつけてやるからね」母「胸にグサッとくる。けいちゃん、ごめんね」父「うん、約束する」。親が子どもに叱られる珍風景。

24日・日、外は雪。ホワイトクリスマスのイブパーティー、ツリーを飾り、ろうそくを立て、けいたや弟の好物を並べて、楽しい夜を過ごす。翌朝、目覚めたら2か月も待ちつづけたターボラガーが枕元に……、寝ぼけまなこの目が見開いてかがやき、子どもには笑顔がにあう。世界中の子どもたちが、やすらかにすごせますように……。

母がお隣にけいたを迎えに行った。けいたがお隣で遊んだカルタが気に入って、帰りにそれを持ってかえろうとした。でも、それはお隣のたくやくんのお気に入り。母はカルタをもどさせ、泣きわめくけいたを無理やり抱きかかえて家に連れ帰った。

けいたが泣きながら、すぐにはだしで玄関を飛び出し、マイナス10度の雪の道をふたたびお隣へ。母は、けいたの靴を持ってすぐにあとを追うと、けいたはお隣につながる我が家の雪の積もった庭へ入り込んだ。小さいからだはやわらかい雪にうもれてしまう……。

母「青春ドラマをみているみたいだった」。けいたが以前にカルタをならべ「ぼく、おはなし、つくってるの」のことばを思い出した。カルタに特別なおもいがあるのかもしれない。その気持ちを思うとやるせない。それから父が帰るまでの1時間、ふとんの中で泣き続けていた。

29日・金、家族で名古屋の実家に帰省:1月4日・木まで。けいたと弟の従妹、総勢10人揃っての初めてご対面、狭いマンションは大賑わい。近くの公園で、けいたと弟はまるで春の気分で浮かれている。本州育ちのいとこたちはとっても寒そう。