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夕食は伝統的なモンゴル料理。有名なレストランらしいが、教授の行きつけのようで、店員もよく知っている仲らしい。冗談を言い合っている。
モンゴル料理は赤い料理と呼ばれている肉料理と白い料理と言われている乳製品を使っている料理に分けられるそうだ。特に肉では、羊の肉が有名だ。モンゴルで羊を食べていると何かチンギス・ハンにでもなった気分になると、京子に言うと、馬鹿にしたような顔で見られた。
レストランではジパングの話は出なかったが、僕の頭の中では、ぐるぐる回っていた。さらにモンゴルのヨーグルトから作った白い乳酒をすすめられ飲むと完全にダウンしてしまった。
目が覚めるといつの間にかホテルのベッドで寝ている。
ベッド横の机に京子の字で「ゆっくり休んでね。明日は先生が観光に連れて行ってくれるそうよ。お休み」とメモ書きがあった。
少しずつ記憶をたどる。羊の肉料理を食べて、そうだ、乳酒を飲んで寝てしまったのだ。今、時間は何時だろう。時計を見ると、朝の4時だ。まだ外は暗いし、テレビをつけても英語の放送もないし、意味がわからない。それでジパングということを僕なりに整理する時間にしようと思った。
まずは、ネットでジパングを検索してみる。「ジパングは日本じゃない」といくつか出てくる。内容は、胡椒がとれることや大陸から1500マイル(2400km)の大洋にあるなどの記述からどうも熱帯を指している記述が多く、フィリピン周辺ではないかと考えている人も多いようだ。
ジパングは日本だ、いや違うなどのやりとりを見ていても意味がないなと感じてしまう。とにかく東方見聞録だけでは真相はわからない。やはり新しい証拠がないと議論は進まない。
は、ジパングを何故探そうと思ったのか。まあ、考古学者なら探すのは、当たり前か。僕でさえ何かワクワクする。もし発見したら、とんでもないことだ。どのくらいの黄金がジパングにあるのか、皆目見当がつかない。
でもそれは恐ろしいことだというのも直感的にわかる。人は黄金を取り合って何度も戦争をしているのだ。父も巻き込まれて事故に遭ったのかもしれない。
試し読み連載は今回で最終回です。ご愛読ありがとうございました。
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