【子どもの頃2】大好きな母
コウは五人暮らしだ。
コウは何と言っても、かあちゃんが大好きだった。コウのかあちゃんは、いつも笑顔だ。コウの子どもの頃は八人家族だった。
でも、今は、五人家族だ。
おばあちゃんは、コウの四歳の頃になくなった。風呂場で洗濯をしていて倒れた。夏の暑い八月三日だった。
おじいちゃんは、優しかった。若い頃は、船大工だった。
風呂場の椅子を、簡単に釘一つ使わないで作ってくれた。木や竹などを使って、スイスイとおもちゃを作ってくれた。
そんなおじいちゃんも、おばあちゃんがなくなってから急に元気がなくなった。まもなく、おばあちゃんの後を追うようにして倒れた。
コウのとうちゃんは、しばらくして家を出ていった。かあちゃんとけんかして出ていった。
二人の兄ちゃんと一人の姉ちゃんは、とうちゃんが大好きだった。
とうちゃんは、子どもに優しかったからだ。でも、コウは、とうちゃんを好きにはなれなかった。
コウは、末っ子で、とうちゃんから愛された記憶もほとんどないからだ。
そして、大好きなかあちゃんを悲しませたからだ。
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