しらじらと岬の風にあらがひて
獅子独活の花いまさかりなり
*獅子独活 セリ科の大形多年草。
遠つ代の栄えうづめて跡もなし
風紋うつろふ十三の砂山
*風紋 風によって砂の上にできる模様。
義経の宿るを伝へし岩窟あり
蝦夷の島山あはあはと見ゆ
※本記事は、2019年9月刊行の書籍『歌集 秋津島逍遥』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。
歌集 秋津島逍遥【第24回】
“忘れえぬ旅をまたひとつ三十一文字に封印す”
――日本の面白さに旅装を解く暇もない
最果ての無人駅から、南の島の潮の香りまで、まだ見ぬ土地に想いは募る。
尽きせぬ思いが豊かな旅情を誘う、味わい深き歌の数々を連載にてお届けします。
しらじらと岬の風にあらがひて
獅子独活の花いまさかりなり
*獅子独活 セリ科の大形多年草。
遠つ代の栄えうづめて跡もなし
風紋うつろふ十三の砂山
*風紋 風によって砂の上にできる模様。
義経の宿るを伝へし岩窟あり
蝦夷の島山あはあはと見ゆ