【前回の記事を読む】大学は「職業訓練校」ではない? 学ぶべきことは、社会が変化しても陳腐化しない○○を身に付けさせること

第I章 大学・大学病院改革の基本路線

1―1 医学教育改革のグランドデザイン――医師養成の導入と基本的骨格

大学2年次〜4年次の教育:専門職間の教育と臨床実習前の共用試験必修化

2年次〜4年次の教育は、いわゆるモデル・コア・カリキュラム(基礎臨床医学)と実践的臨床医学への入門である。その理念は、メディカルヒューマニティ教育であり、その達成の目的は地域医療問題解決のための学習能力の確立、臨床実習前に学生に求められる医学、人文社会科学の履修である。

これらカリキュラムの構築には、統合型教育の学習の検証と充実を図る必要がある。さらに、基礎医学の臨床疾患・病態との関連付けを十分把握し、基礎的診療技能教育を十分受けることも必要である。

こういった目的を達成するためには、現状の改善として教育専任スタッフの十分なる配置、地域における医療・保健所での実習の充実、さらには、少人数教育の充実と効率化、そして何よりも患者やコメディカルとの接触による地域医療臨床経験の積み重ねが必要である。

この中では、チームワークについても十分学ぶ必要があり、医療系学生との共同実習科目を設定するなど、地域に密着した専門職間の教育が必要である。

これら課題を実現することは、「臨床実習以前に共用試験を必修化」することである。共用試験(CBT、OSE)については日本国内の全大学(医科大学)が人材と資金を出し、国家統制としてではなく、大学の集合体としてそれぞれの大学の教育成果に関する学生評価を行うことが必要であったが、全国医学部長病院長会議、文科省、厚労省の協働で実現された。

今後は、この医学部連合としての体制を十分継続していく必要がある。こういった中で必要なのは、地域医療課題への知識、つまり、臨床実習前の基本的、初歩的技能である、医学、医療社会全般にわたる広い一般的知識と技能に対する試験をおこなうことであり、この試験を医療法または学校法の資格試験として認定し、さらに同試験を北米などに見られるところのステップI相当とさせることである。