俳句・短歌 短歌 故郷 2020.09.22 歌集「星あかり」より三首 歌集 星あかり 【第15回】 上條 草雨 50代のある日気がついた。目に映るものはどれも故郷を重ねて見ていたことに。 そう思うと途端に心が軽くなり、何ものにも縛られない自由な歌が生まれてきた。 たとえ暮らす土地が東京から中国・無錫へと移り変わり、刻々と過ぎゆく時間に日々追い立てられたとしても、温かい友人と美しい自然への憧憬の気持ちを自由に歌うことは少しも変わらない。 6年間毎日感謝の念を捧げながら、詠み続けた心のスケッチ集を連載でお届けします。 この記事の連載一覧 最初 前回の記事へ 次回の記事へ 最新 お土産の台湾料理を戴いて その時ハオチー後までハオチー *ハオチー:「おいしい」の意。 誠実な働く姿凝らし見る 愛しさ湧き出切なさ溢る 打ち克ちて復活優勝尚子さん 贔屓の走者に全力を見る
エッセイ 『59才 失くした物と得た物』 【新連載】 有村 月 結婚してから35年、「愛」はなくとも「情」は生まれる ダンナが死んだ―まさかの現実。自覚はなかったが、この時から私の「おひとりさま」は始まろうとしていたようだ。たしかにダンナは肝臓の数値が悪いと1ヵ月半入院したものの退院、体力も少しずつ戻りはじめ還暦祝の1泊旅行もし、そのたった1週間後にはこの世からいなくなるなんて、頭の中のすみっこにさえなかった事。よくいう野球の九回裏2アウトからの逆転満塁ホームラン的な。その1年半前、最愛の母が「くも膜下出血」で…
小説 『雪女』 【第2回】 佳 英児 早朝のゴルフ練習場。男性が使うアイアンを扱う謎の美女。相当に上手いようだが… 私は、女性を見た。彼女もこちらを見た。微笑んだその人は知的な雰囲気で整った顔立ちだった。少し開いた口からは、歯が見えた。明眸皓歯 (めいぼうこうし)の形容がぴったりの人だ。まだ、話してもいないけれど、きっと気の利いた人であろうと思った。「グッドショット」と言う代わりに、私は親指を立ててサインを送った。彼女は、チョコンとうなずくように挨拶を返してくれた。一体この女性のゴルフの腕前は如何ほどだろうか…