子供、ほしいね。どちらが先に言ったかは分からないが、2人でそんな気持ちになった。運よく授かり、すくすくと育った。今も時折こじらせながらも、すくすく成長している。

私はこれだな、と思う育児書を読んで、子供をつぶさに観察しながら、慈しみながら「育児書」に書いてあることを忠実に実践した。

「毎日戸外に出て、外の空気にふれさせてあげましょう」そのようにした。乳児から2歳まで毎日そうした。アパートの周りを散歩する、実家の庭でシャボン玉を見せてやる、花を見せてやる、公園に行く、小さな公園にも大きな公園にも。雨の日や雪の日は、風邪をひかせないように注意して買い物に連れていけばよい。

そうすると、「かわいい子ね」と声をかけてくれる人がいる。子供は親以外の他人にも親しむようになった。

2歳、元気いっぱい、はじけるような笑顔。飽きることのない探求力でそこいら中を駆けるようになった。真夏でさえ、彼女の動きは止まない。朝起きて、車に乗せて大きな公園で思うさま遊ばせる。昼ごはんを食べながら寝てしまう。あ、折角作ったのに。

私も昼寝しようかな、というタイミングでやおら覚醒する。また遊びまくる。そして問題は「謎に夜は寝ない」ということだった。母は隙あらば寝たいのだ。彼女は離乳が遅かったので、母乳をやる。もう倒れそう、寝たい、しかしながら飲みたいのであれば致し方なし。母乳をやるしかない。

母乳の原材料は私が口から摂取する食べ物、飲み物、どんなに食べても飲んでも昼間は彼女に付き合って遊んでいるのだから、カロリーは消費される。母乳の原材料もかつかつ、しかし自分に鞭打って与える。加えて寝られない。

そして衝撃的なことが起こった。自律神経の乱れだろうか。「おねしょ」をしたのだ、娘ではなくて母が。驚いて自分の母親に電話してしまったくらいだ。母親がなんと言ったかは覚えていない。多分、そうなのねえ、とか言ったんだろう。

これは限界。同時に娘にとっては「遊び相手が母だけでは物足りない」ということだ。

 

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