【前回記事を読む】雲のように覆っていた気が晴れる――胸鎖乳突筋が教えてくれる“合う漢方薬”

第二章 気診

九、成長する気

気の修行には終わりがありません。人の身体の周囲を取り巻く気は、心や身体そして精神の成長とともに、日々刻々と変わって精妙になっていきます。気が精妙になればなるほど、「気診」でとらえる範囲は広がり、気功の効果は高いといわれています。

ただし精妙になるほど受け手が身体に感じることは少なくなります。施術者と似たような気をお持ちの方が「気診」を受けると、温かいとか気持ちいい、弛むなどの効果を実感されるようです。

自分が持っている気は修練次第でどんどん変わっていきます。そうしますと身体が健康になるだけでなく、心も穏やかになり落ち着きが生まれてきます。それを会得するためには、呼吸法の他に身体を温めたり、感性を磨いたり、こだわりやとらわれを減らしたり、物事をそのまま見る能力を養ったり、様々な修行を積むことが必要です。

そうすることで身体を取り巻く気は変わっていくのです。そばにいると何となく気持ちいい方の気は、とてもクリアかつ精妙です。そのような方は物事をこだわりなく受け入れられる人です。反対にオーラが広くても固定観念にとらわれている方のそばにいると息苦しい感じを受けます。

イライラしている方の気は、そばにいると身体が痛いと感じます。いつも愚痴ばかりこぼしている人の気は縮んでいて、こちらの気まで奪われるように感じます。

このように、身体を取り巻く気というものは、身体の状態だけでなく、心や気持ち、さらにはものの考え方やとらえ方が反映され、周囲のあらゆるものや人と影響し合って存在しています。

第三章 元気になる法

気診を受けて身体を取り巻く気をクリアな状態にしても、ご自身の生活習慣が変わらなければ元に戻ってしまいます。そこで気と身体が元気でいるための方法をこの章でご紹介しましょう。この中からご自分に合ったものを日常の中で取り入れてみてください。

それを続けていきますと、気と身体の変化をご自分で感じるようになり、少し具合が悪くなっても、早いうちに改善できるようになります。

大事なのは少しずつでも毎日続けるということです。