私が受けていた、気づかれにくい虐待

みなさんは、「虐待」という言葉から、体への暴力や、過剰な叱責、罵詈雑言などを想像されるかもしれません。しかし、虐待には、

①身体的虐待

②性的虐待

③ネグレクト

④心理的虐待

の4種類があり、実験によると、身体的虐待よりも心理的虐待のほうがダメージは大きいそうです。

また、身体的虐待は、他人から「虐待である」と認識されやすく、ある程度年齢を重ねれば、子ども自身も、自分が虐待されていたことに気づく可能性が高いといえます。

しかし、実際には、周りの人はもちろん、当事者である親も子どもも、「それが虐待である」ことになかなか気づかないような虐待がどこの家庭にもあります。

実は、私自身、幼い頃から、母から虐待を受けていましたが、それに気づいたのは、虐待防止の電話相談の仕事を始めてからでした。

虐待に関する本を読んだところ、私が母に言われた言葉が、そのまま「虐待の事例」として書かれており、初めて「自分が虐待されていた」という事実に思い当たったのです。

でも、似たようなことは、きっと多くの家庭で起こっているのではないかと思います。虐待は「特別な家庭」で起こるものではなく、一見「普通の家庭」「どこにでもあるような家庭」でも起こりうるものだということも、心理学の勉強や虐待防止の活動から学びました。

母は、当時からすればどこにでもいるような、昔気質の厳しい母親でした。ただ、ほかの母親に比べて、際立った特徴がありました。

母は、常に自分自身の価値観で私をがんじがらめに縛りつけ、毎日「何か怒るところはないか」「何か注意するところはないか」とあら探しをしていたのです。私が何か母の気に入らないことをすれば、お説教は1時間に及びました。

信じたくないことですが、母は私を妬んでいたようでした。後で詳しくお話しするように、大変な苦労をしてきた母にとっては、恵まれた環境で何の苦労もなく生きているように見える娘の私がうらやましかったのではないかと思います。

そして、「『白雪姫』の継母が、グリム童話の初版本では実の母親だった」と知ったり、虐待の連鎖の本を読んだりすると、「母が娘に嫉妬するというのは、珍しい話ではないんだな」とあらためて感じるのです。

 

👉『潜在意識を変えて自分を幸せにする 21のアプローチ』連載記事一覧はこちら

【イチオシ記事】「私を抱いて。貴方に抱かれたいの」自分でも予想していなかった事を口にした。彼は私の手を引っ張って、ベッドルームへ…

【注目記事】てっきり別れたかと思ってたのに……。夫の不倫相手にメールしたところ、「奥様へ」と驚く内容の返事があり…


【12/17(水)「注目の新連載」と「2025年話題作ピックアップ」がスタート】

20時配信|2025年話題作ピックアップ
■『東京フェイクLOVE♡』
57歳主婦が踏み込んだ、都心のデザイナーズマンション302号室。待っていたのは24歳イケメンセラピスト――その出会いが日常を狂わせていく。

21時配信|注目の新連載
■『超能力探偵 河原賽子』
人生どん底の女性が出会ったのはタワマン最上階に住む自称“超能力探偵”河原賽子。
密室で“無数のナイフで壁に磔”にされた猟奇事件――賽子は「サイコキネシス殺人」と断言するが…。