【前回の記事を読む】目が見えない私に足が動かないお姉ちゃんは言った。「もう泣かないで、二人で乞食をしようよ」わずか7歳と13歳の会話だった…
第4章 一人になった珠輝
珠輝に春がやって来た
「珠輝ちゃんよかったね。お姉ちゃんが言った通りお母さんはちゃんと学校にやってくれたやろう。今度はお姉ちゃんが乞食になるかもね。お姉ちゃんはお父さんたちがいなくなったら乞食よ。」
「お姉ちゃん、私は学校に行ったら按摩さんになるんだって。按摩さんは人を揉んで病気を治すんだって。お姉ちゃんの足も按摩したらもっと歩けるようになるかもしれんね。私が働いてお金を儲けることができたらお姉ちゃんも乞食にならなくてもよいよ。一緒にご飯食べられるやろ。」
「珠輝ちゃん、お願いね。」
今度は珠輝がお姉ちゃんに誓ったのだった。二人の会話を聞いた大人たちは腹でも抱えて笑い転げるだろうか。だが目の見えない子供と足の不自由な少女との生きるための真剣な会話なのだ。