はじめに
「異動方針について、説明します」
「お客様からの頂き物のクッキーです。どれがいいですか?」
「子供のお弁当のウィンナー、明日はカニさんの形にしようかな」
これらは、2024年(令和6年)に職場で実際に耳にした会話だ。それぞれのフレーズを言ったのは、女性と男性のどちらを皆さんはイメージされるだろうか。
日本がバブルに沸いていた40年前なら、それぞれ、男性、女性、女性という回答が返ってくると思われる。しかし、2025年の今はどうだろう。
「どっちもありだよね。そもそも、男、女って区別する? この多様性の時代に」というご意見もあるかもしれない。実際は、女性、男性、男性によるものである。
この40年で、男女の役割は変化し、社会の意識やテクノロジーの進歩によって女性の活躍の場も広がり、女性が長く働き続けられる時代へとなりつつある。
食べることが好きだった私は、大学進学の際、家政学部の食物学科を選択し、白衣を着て食品に関する実験をする「理系」だったのだが、当時流行っていた「文系就職」で1990年にインフラ業界の会社に入社した。
現場第一線の支社を振り出しに、広報部、コールセンター等を経験後、ダイバーシティや人権の業務に携わり、2024年6月に卒業。今は、建設業界で働いている。
時代の変化に合わせて働き続けたものの、就活の企業選びの際、「女性でも働き続けられる会社かどうか」という視点は全くなかったし、仕事が好き、仕事熱心というタイプでもなかった。ただ、周囲の「仕事は続けたほうがいい」というアドバイスを何となく信じながら、地道に働き、まじめに仕事には向き合ってきたつもりだ。