「お昼は昼食会、午後は片付けとあいさつ回りをしなくちゃ」

11時から、同じタイミングで退職する6人の退職セレモニーが始まった。前年も見ていたので勝手は分かっている。記念品をいただき、一言あいさつ、記念撮影……。

連日、送別会をやっていただいていたので、帰宅後にゆっくりあいさつを考える時間が取れず、当日の朝、出勤の電車で慌てて考えることになってしまった。

「何を話そう……うーん」

「そうだ、『この34年での変化』をテーマにしよう」

そもそも、私が定年退職の挨拶をするなんて、昔の私を知る人は誰が想像しただろう。結婚相手の海外転勤や留学についていって退職するのかな、と思っていたし、実際、複数の友人がそういった生活を送っていた。こんなことを思い出しながら、話す内容がまとまった。

挨拶の順番が回ってきたので、会社人生を振り返りながら、「3つの変化」について話し始めた。

「まず一つ目の変化として感じるのは、『女性活躍の広がり』です。私が入社した1990年代は、お茶を入れたり、灰皿を洗ったりするのは女性社員の仕事でした。しかし、今では女性社員の皆さんが会議を仕切ったり、積極的に発言しているのを見て、『カッコいい、頑張って!』と思います。

女性だけでないです。男性がお土産のお菓子を配ったり、家事育児に積極的に参加しているのを見て時代の流れを感じます。ただ、ここで女性、男性と言っている事自体、だめかもしれませんね」

 

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