娘のこと
テレビの旅番組に娘夫婦が出演した!
娘の夫がホウキギターとやらを考えついて、ホウキやハタキ、チリ取りなどを音が出るように改造制作した楽器である(楽器と言って良いのか?)。
そのユニークな取り組みが制作者の目に留まって、出演する運びとなったのだ。
テレビの力は凄い! すぐに問い合わせが何件かあったらしい。
この楽器とやらで数年前には『題名のない音楽会』(毎週土曜10時〜テレビ朝日系列)に応募して夫婦で出演することができた。
何とそこで優勝を頂き審査員の方々から「感動した」とか、又オペラ歌手の方など涙声で「コレは世界にドンドン出て行けると思います」などと身に余るような賛美の声を頂戴して観客席にいた私まで嬉しくて自分が褒められているような気分になるほどだった。
その後本当にお声がかかり、ニューヨークに2週間ほど滞在して演奏発表をして来たが、その後すぐに新型コロナウィルス感染症の蔓延で、身動きができない日々が続いてしまうことになった。個人事業の娘夫婦には厳しい数年であったと思う。
やっとコロナ禍も収束に向かいつつある今、テレビ出演させて頂いたことは有り難い事である。私もつい、知り合いの皆さんに見て頂けるように連絡をしたという、親バカ振りを発揮してしまった。
その数日後の春分の日に、孫の2歳の誕生日も近いのでプレゼントを持って、娘夫婦の家を訪ねた。孫のプレゼントはスイッチを押すと自動でシャボン玉が出るオモチャにした。
そのシャボン玉で遊ぶ為に家族皆で近くの公園に行った。桜も7分咲きの暖かい日和の桜の下で、楽しそうに食事したりお茶してる人、駆け回っている子供達などで賑わっていた。皆が春を満喫しているように見えた。今流行りのキッチンカーなども出ていた。孫も初シャボン玉に大喜びして、走り回っていた。
暫く遊んだ後に娘が「お父さん、お団子食べたい。ユー君も食べたいと思う。アソコのお団子買って来てよ」と言い、指を差す方を見ると、お団子屋には十数人も並んでいる。
夫は可愛い孫と可愛い娘の言う事には即行動。その列に並んでサクラアンの団子を買って来た。皆で空いているベンチを探し休憩を取る事にした。
娘はベンチにお利口さんに座った孫に「はーいお団子よ。アーン」とお団子を大き目にちぎり口に放り込み又「アーン」と言いながらサクラアンを指先で取り、口の中のお団子にナスリ付けたのだった。
私はお団子が喉に詰まらないかを心配して「大き過ぎじゃないの? 飲み込めるの?」と娘に言うと「だいじょうぶよ〜。ハイ、モグモグ」と咀嚼を促すのだった。何と大雑把な!
だが心配をよそに、孫はちゃんとモグモグして飲み込みニコニコして、又口に入れて貰っているのだった。私は心の中でハラハラしていたが、子供は神経質になるより、これ位大雑把で育てても良いのかもしれないと思った。
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