【前回の記事を読む】静かな朝に響く「ママ起きてよ〜」——チョコのいない6時半、胸に残るぬくもり
パリの出来事

同じパーティーに出ていた色んな方達に「大丈夫ですか? 良かったですね」
と言われた矢先、一件落着かと思っていたら、私を皆で取り囲んで見ていて、気を取られている間に、何人かの方達がスリに遭ってしまったのである。
全く気付かずにお財布を盗まれていたのだ。その男達はグルだったことが後からホテル側の情報で知った。私はオトリだったようだ。
夜になりホテルの部屋でくつろいでいる時に、急に自分のとった行動が何と無謀だったのかと身震いした。もしその犯人がピストルでも携帯していたら……。
ナイフでも出してきたら……。色んなことが脳裏をよぎった。
数日の滞在をして、日本に戻り自宅でホテルでの出来事を家族に話したら夫には「何て怖い事をするのママは。お財布なんか戻らなくても良いじゃないの。もし大怪我でもしたら取り返しが付かないでしょ」と怒られるわ、
子供達には「さすがお母さんだね。他人のお財布が盗られても、きっと追いかけるでしょ」と茶化されるわ、リトルバードにとっては、大変なパリの旅だったのです。
海外では日本と違いバッグでも何でも手を離してはいけない、物騒な国が多いので気をつけてと添乗員さんには常に言われていた。
パリなんて素敵なイメージしかなかったのに、ベルサイユ宮殿でも、ルーブル美術館でも添乗員さんは「スリが多いので、リュックは背中に背負わずに前に抱えて、目の届く位置にしてください」と私達に注意を呼びかける。
リュックを背中に背負っていると、ナイフで切られ知らない間に盗難に遭う事もあると聞いた。
皆さんも旅に出る時には、くれぐれもご注意を。