前半のプレーを終えて、桔梗は 43、私は44という結果だった。今日のコンディションだったら、悪くても30台で回るべきところだが、まあ仕方ないだろう思った。
やがて、昼食になった。
私が桔梗に愚痴を言った。
「前が遅くて、困ったな。なんか調子くるっちゃうよ」桔梗も眉をひそめながら、
「遅い人はいるけれど、前の組は、ひどすぎるわね。コースに一組だけでプレーしていると思っているんじゃないかしら」
やがて前の組の四人は、昼食が終わって席を立った。すると、何か四人でこそこそやっている。どうやら二人が、パンツの前の部分を濡らしてしまい、慌てているようだ。あの歳になると、困ったことだとも思ったが、私ははたと気が付いた。桔梗にそっと聞いた。
「ねえ、あの人たちがパンツ濡らしてるの、桔梗のいたずら」
「さあ、天罰じゃあないの。私は知らないわ」
まだ、局部を凍らせなかっただけよかったと思いながら、私たちも席を立った。
午後は、さらっと回れた。前の組は、用事があるということで、キャディーマスターが私たちの順番を変えてくれた。お陰でスイスイとプレーができた。午後のスコアは、桔梗が 43、私は38だった。
少しは、気分よくオープンコンペが終われると思った。ところが、表彰式でとんでもないことが起こった。なんと、前の組からベストグロス賞を取った人が出た。しかも、四人とも、70台か80台前半のスコアだった。
成績が書かれた用紙では、前の組の四人が、素晴らしい成績を収めていた。一人が優勝、もう一人がベストグロス。
なんだって?