わたしはね、せんせい、自分の統合失調症だとされた人生を、いまでは肯定して愛しているからですわ。いま、わたしは自分の病気から立ち直ろうとしている。抜け出そう、手放そうとしているんです。

その手放そうとしている半生は自分らしさの塊で、自分が悶々として産んだ作品なのです。それを完成させるには、最後にその前提としての揺るがない答えが必要なんですわ、せんせい。

だから、せんせい、協力いただきたいんです。

でも、そんなお時間はいただけないですよね。とっても時間がかかると思います。

そうですよね。

では、せんせい、こうしましょう。わたしがこれから、ペンで文字を書きますわ。それを読んで判断していただけないかしら。

あら、そんな時間もいただけないですよね。そうですよね。時間は有料だから。困ったわ……。

ああ。せんせい、それが良いわ。そのアイデア賛成です。そのリカバリーの勉強会に参加してみます。先生が運営しているデイケアのプログラムにそれがありましたよね。さっそくデイケアのスタッフさんに初回面談のインテークをしてもらうことをお願いできますか? 

インテークって、わたしたち利用者が登録申請のために必要な情報をお渡しし、聞き取りしてもらう面談のことですよね。そんな言葉もおぼえてしまいました。

ありがとうございます。それでは、せんせい、今日はこれで失礼します。

ええ、大事にします。ありがとうございました。

 

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