だから、せんせい、わたしわかったの。幻聴や妄想が病気じゃないってことを。言葉がつむげないだけだわ。どんなに言葉をつくしても、自分以外の人にはわかりにくいものをわたしは持っている。ただそれだけのことだと思うわ。

それは病気だから持っているわけじゃない。ほかの人にわからない空間を持っていることと、病気であることとは別のことだと思ったわ。分ける必要があるの。

それでね、せんせい、わたし、自分で本を読んで調べてみることにしたんです。

統合失調症ってなんなのかってことを。勉強してみようって思った。それでわかったことがあって……。

あら、せんせい大変、今日はわたし、ずいぶんお話ししてしまったわ。

それでね、せんせい、お願いがあるんです。わたし、これから少しずつ自分の人生をお話しするわ。だから、それを聞いて、本当に統合失調症だったのか、いまはどうなのか、もう一度診断していただきたいの。

なぜいまさらっておっしゃらないで。わたし、せんせいが「きみは統合失調症じゃなかった」とおっしゃるのを恐れているんだわ。その一言がわたしの人生を水の泡にしてしまうから。

おわかりになりますか? わたし、誤診の疑いをゼロにしておきたいんです。

なぜまたそれを蒸し返すのか? きみがいま回復しているならそれで良いじゃないかっておっしゃいます?