【前回の記事を読む】私が犯した"大きな過ち"――。中学1年の終業の日、離婚した両親のどちらと暮らすかという選択に…

3 苦悩の中学生時代 

転居と転校 ―コンプレックスの目覚め―   

長髪だったからだろうと丸坊主の男子生徒を見渡した瞬間、担任から「明日から頭は2枚か3枚にして来い」と言われた。

魚でもあるまいしと思いながら、帰宅後に指定の散髪屋に行くと、やはり2枚か3枚かと聞かれた。どちらでもよかったので、やけくそで2枚と告げたとたん、バリカンが登場して丸刈りとなってしまった。

予測はしていたが、丸刈りは初めての経験でショックだった。せめて3枚3ミリにしておけばよかったと後悔した。鏡には小学生に戻ったような自分の姿があった。おまけに頭の形がいびつで丸刈りは似合わないのである。一瞬学校へは行きたくなくなった。

今では丸刈り強制などは考えられないが、当時はどのような校則にでも従うことは当たり前であった。いやいやながら登校すると、昨日とは別人の私の姿を見るなり、みんなに大笑いされた。これも初めての経験だった。

痩せているというコンプレックスのうえに、丸刈りといびつな頭が加わり、茫然となったことを覚えている。成長期における成長度の差と変化は顕著であり、思春期独特の心の働きで悩み多い時期である。

私は、もはや学力で乗り切るしかないと、一心に勉強に集中した。幸いに京都の中学校での中1のまとめノートとして、高校受験用に完璧なルーズリーフノートでまとめていたので、理解度を見る実力試験ではクラスでトップだった。

また、少年野球リトルリーグと踏水会水泳クラブに通っていたので、野球も水泳も得意だった。部活に勧誘されたが、体力がなかったので、基礎練習での体力作りが苦痛で部活には入らなかった。

それから、当時流行の青春ドラマ「青春とはなんだ」や劇画「巨人の星」などの「根性」や「鍛錬」をモチーフにした架空の物語は好きにはなれなかった。

どこか醒めていたのか、捻(ひね)くれていたのかは分からない。それと勉強部屋がないことが腹立たしかった。学校で宿題や復習と予習を済ませて帰宅した。自宅では夕食後の布団を敷くまでの時間に勉強ができた。