さらに、介護が必要になった場合に、これまで他人に見せることのなかった恥ずかしい部分を他の方に見せ、世話をゆだねるというのは相当な決心が必要なことでもあります。
おむつの世話をしてもらうことは、羞恥心や自尊心にも関わってくるデリケートな問題でもあり、どなたに相談したらよいか分からず、一人悩んでいる方が多いと思います。
おむつは上手に使えば安心をもたらすものですが、使いこなせなければおむつを必要とする人をさらに不健康にしてしまうことがあります。
おむつにはインナーとアウターがあり、重ねて隙間なく使用することが必要です。うまく使い分けてその人のサイズにあったものを使用しないと、漏れたり、姿勢が悪くなったりして生活の質にも関わってきます。
身体に合ったおむつの選択は、介護を受ける人だけでなく、介護する側の暮らしをも左右するのです。
日本では古来布おむつを使用していて、「むつき」と呼んでいました。京都に「むつき庵」という株式会社はいせつ総合研究所が運営する排泄用具の情報館があります。
約400種類のさまざまな紙や布おむつが展示されており、尿や便のトラブルに対して熱心に話を聞いてアドバイスしてくれる施設です。ここではおむつフィッター研修があり、排泄の仕組みやおむつの選択、使用方法を学べます。
私は縁あって講師としてお手伝いをしたことがあります。その際、私は「排泄に関して話をしてもらえるような良い人間関係を作ってください」というメッセージを送りました。もし排泄でお困りの方が身近におられましたら、相談する一歩を踏み出していただければ幸いです。