その業界に入ると、その周りの人はみんな専門家と思って、なんでもまず他人の所作をよく見る、よく話を聞く、そしてなるべく良さげに思える事を真似してみる。実際は本当の専門家なんていないんだけどね、それはともかく素人感覚で真似しておけば良い。
自然に評価できない限りは、ただ見て聞いておけばいいんだ。評価すると自分の性格が悪くなるので注意が必要だ。ただ五年も経つと、「この人の話は本当だ」や「あの人の話は信用できない」というのが自然にわかるようになるはずだ。
あとは、その業界の人間関係や組織関係について、深入りしない。あなたの視線の方向は、その業界に対応する一般の人々にだけ目を向ける。
視線を一般の人々に目を向けるのが、大事だ。素人と玄人が同居している人が、おそらくプロであるということだろう。僕は図らずも医者になったけれども、素人感覚がとても役に立ったなあ、困った人を助けるなんて、できっこないし、そんな大目標のために仕事するのは嫌だったからね。
素人の定義は、「その時わからない事を否定しないで、浮かせる事ができる人」ということにしておこう。とにかく「おやっ?」と思うことは気に留めておく事だ。
僕は医療関係者だけれど、病院の医長会議や協会、学会の理事会でも、1時間も出席すればいつでも耐えられなくなって退出する失礼な人間なんだ。ただ自分は小児科医なので、向ける視線は子どもだ、親でもない、子どもだ。
子どもたちには診療でそんな事はしない。患者さんのために働くんだ。そうすると今まで大筋は間違えなくて済んできたような気がする。
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